日本は災害大国と言われるほど、災害が多い国です。
地震、台風、噴火、水害。
わたしも、実際、豪雨による水害の被害に遭ったことがあります。
被災者となった場合、肉体的にも精神的にも大きなダメージを受けますが、そんな被災者にさらに追い打ちをかける被災地荒らしが起こっています。
被災地荒らしとは、いわゆる『火事場泥棒(かじばどろぼう)』のことですね。
被災者が混乱している中で利益を得ることだよ
予測のできない災害で被災してしまった場合、悪意のある被災地荒らしのためにも防犯対策を行いましょう。
- 事前に防犯に対する準備したい人
- 自分や大切な人を危険から守りたい人
称賛の一方で起きていた被災地荒らしの実態
2011年東日本大震災時には、略奪や暴動の素振りもない日本人の冷静さとマナーの良さが世界中から称賛されました。
アメリカのウォールストリートジャーナルは日本についてこう書いています。
『300年に1度の大震災による大混乱の中で、日本人は冷静さを保ち、膨大な救助・復旧活動をまとめ、そして広く世界の称賛を集めている』
日本人として誇らしいという気持ちになりますね。
しかし、
その一方で、災害の混乱を利用して、様々な犯罪は起きていました。
被災地荒らしー災害時に起こった事案
◎ATM窃盗の被害7億円=空き巣も急増、原発周辺に集中-大震災の被災3県
東日本大震災の発生から6月末までの間、岩手、宮城、福島3県でコンビニや金融機関の現金自動預払機(ATM)を狙った窃盗事件が56件(うち未遂7件)あり、被害総額が約6億8440万円に上ることが14日、警察庁のまとめで分かった。
引用:時事通信社
不届き!「無施錠、盗みやすい」〝火事場泥棒〟逮捕、若い会社員2人 避難者宅物色疑い
熊本県警は28日、地震で住民が避難中のアパートに侵入して物色したとして、建造物侵入と窃盗未遂の疑いで福岡県大牟田市草木、会社員、吉田忠史容疑者(21)、同市久福木、会社員、横山悟容疑者(30)の2人を逮捕した。県警によると、ともに容疑を認め「地震後は無施錠の家が多いので、盗みやすいと思った」と供述している。
引用:産経
●広島土砂災害情報●【空き巣や不審電話相次ぐ】広島市の土砂災害の被災地では住民が避難した住宅への空き巣や、警察官をかたって避難を促す不審な訪問や電話が相次いでいます。警察で注意を呼びかけています。(07:42) http://t.co/qZx7oUGwLT
— NHK生活・防災 (@nhk_seikatsu) August 22, 2014
2016年度に熊本県警が把握した避難所や周辺でのわいせつ事案は、強制的な性交や盗撮など約10件に上った。「災害時は加害者の不安定な心理状況が、弱い立場の人に暴力の形で向かいがちだ」
引用:西日本新聞
地震から間もない16年4月下旬、熊本県内の指定避難所。避難者が寝静まった深夜、家族から離れた場所で寝ていた10代少女の布団にボランティアの少年が潜り込んだ。少女は服を脱がされ、体が固まった。助けを求める声を出せず、恐怖と痛みに耐え続けた。
引用:西日本新聞
熊本地震で被災した民家に忍び込みタブレット盗む 男逮
熊本県警は23日、窃盗容疑で会社員の男を逮捕した引用:ライブドアニュース
現在、市内において屋根の点検・修理、ブルーシートはりに関する訪問の問い合わせが多数寄せられています。
屋根の点検・修理、ブルーシートはりなどを依頼する際は、見積もりを取るなどの方法で、きちんと工事内容・金額を確認してから契約しましょう。#南房総市 #ブルーシート詐欺— 南房総市広報 (@minamiboso_koho) September 23, 2019
被災地荒らしに対する防犯対策
①放火
②窃盗・空き巣
③詐欺
④性的暴行
①放火ー対策
ごみや燃えやすいものを外に放置しない
被災し、家のまわりや家の中は、木材の破片やごみであふれかえります。
そのごみを、家の前に置きっぱなしにすることはかなり危険です。
放火犯にターゲットとされる可能性があります。
ごみを家の中に置いておきたくないかもしれないですが、ごみを回収してもらう日までは、家の中で保管してください。
②空き巣・窃盗ー対策
被災地荒らしで一番多い事案は、窃盗・空き巣被害です。
家も倒壊しさらに二次災害も考えられるため、多くの被災者は、避難所へ避難し、家は空っぽの無人となる場合が多いです。
また、被災により停電になっている場合、夜は辺り一帯真っ暗になります。
停電だと防犯カメラも作動していません。
空き巣犯に狙われる状況は整ってしまっているので、空き巣対策をしてから、家を出ることが大事。
\鍵を閉め、人の気配を残そう/
ラジオを付けたまま家を出る
災害時、ラジオは必須です。
なぜラジオを付けたまま家を空けるかというと、人がいるように見せかけるためです。
ラジオの音が聞こえてくれば、『この家はだれかいるな』と空き巣犯に知らせることができます。
電池式ラジオは、最低でも2個常備しておきましょう。
家に置いておく空き巣対策用と、自分が使用する用です。
避難所では周りの人の迷惑にならないようにイヤホンが必須です。イヤホンとラジオをセットして準備しておきましょう。
施錠をする
基本的なことですが、家の鍵がすべて施錠されているか確認してから、避難しましょう。
そして、一番大事な大前提として、
大金を家に置かない ことです。
タンス貯金などしていたら、今すぐやめてください。
③詐欺ー対策
災害の後には、住宅の修理に関する強引な悪徳商法や詐欺なども発生しています。
今迄に発生した案件です。
ブルーシート商法・・・家の屋根瓦が落ちたため、ブルーシートをかけてもらった後日『工事 30万円』という請求書が届く
修理費ぼったくり詐欺・・・修繕業者として現れ、先払いでお金を払わせ、修繕は行わずお金だけ取られる
フィッシング詐欺・・・『地震情報』という名のメールが届き、それをクリックすると、出会い系サイトへ登録される。高額な会費を請求される
ボランティア詐欺・・・『何か困っていませんか?』と言ってボランティアとして近づき、最終的に高価なものを購入させる
契約した覚えのない修繕費用や嘘の説明による修繕費用については、支払い義務はありません。
詐欺に遭わないためには?
- その場で決めない
- ボランティアの所属先・会社の住所、名称、詳細を確認する
- 飛び入りの業者は信用しない
- 料金について確認する
- 修繕工事は、顔見知りや信頼のある業者を選ぶ
- 一人で悩まず誰かに相談する
もし詐欺に遭ってしまった場合は?
消費者センター
『消費者ホットライン 188』へすぐに電話しましょう。
④性的暴行ー対策
こちらのポスターご存じでしょうか?

このポスターは、2016年に発生した熊本地震で、避難所生活を送る女性や子供に向けた性犯罪の注意喚起のポスターです。
【性犯罪の事例】
・避難所で夜になると男の人が布団にはいってくる
・段ボールで作った更衣室で着替えをしていたら、上からのぞかれた
・トイレについてくる
・授乳をじっと見られた
・男児が男性からわいせつなことをされた
※阪神淡路大震災・東日本大震災で実際起こった犯罪行為
女性・女児だけではなく男児も性犯罪を受けています。
避難所の環境の悪さ、避難生活の長期化に伴い、性犯罪は比例しています。
性犯罪に遭わないためには?
単独行動をせずに、夜中に出歩かない。
『自分は被害に遭わない』
そういった意識は捨てましょう。
だれでも被害に遭う可能性はあります。
防犯ブザーを持ち歩く
防犯ブザーは必ず避難するときに持参してください。
性犯罪は、避難所で起きています。
避難所は大多数の人がいますので、ブザーを鳴らすことであなたは助かります。
不安を感じたらすぐに相談しましょう。
不気味な視線や何か違和感を感じた時点ですぐに誰かへ話しましょう。
性被害のここが怖い
性犯罪は、被害者は個人情報がもれることを恐れたり、自分自身を責めてしまい、被害にあったことを、だれにも相談できずに表面化しないことが多い犯罪と言われています。
空き巣にあったり、車の事故や通り魔にあったら、多くの人が、『私こんな目にあった』と簡単に人に言えると思います。
しかし、性犯罪の被害者は、加害者により恥の意識を植え付けらていることが多く、『お前が悪い、お前が誘惑したんだ』と言われ、自分が悪いと思い込んでしまいます。
そして、自分の最もプライバシーの部分を見られることによる恥ずかしさと屈辱から、『なかったこと』にしようと心に蓋をしてしまうのです。
ー被害者は悪くないー
ー加害者が100%悪いー
もしあなたが相談されたら、絶対に被害者を責めないでください。
もしあなたが性犯罪を目撃したら、見て見ぬふりをしないでください。
最後に
今回は、災害時の2次人的被害、
被災地荒らしの防犯対策を紹介しました。
誰だって、いつ被災者になるかはわかりません。
学びや知恵は、いざというときに、あなたを必ず助けます。
あなたとあなたの大事な人を守るために、事前の準備、対策、家族間での情報共有を行ってください。
犯罪の被害者が一人でも減ることを願います。